昔、秋元康の出ているドキュメンタリーを見ていたのね。
そしたら、秋元康が
「何かを企画するとき、最初は焼肉弁当として売り出そうとしていたのに、いろんな人の意見を取り入れるうちに『煮物が入ってないと嫌な人もいるでしょ』『卵焼きも入ってないと』『天ぷらが好きな人もいるかも』ってどんどん形が変わっていき、最終的には幕の内弁当になってしまうことがよくある」
みたいなことを言ってたのよね。
つまり、何かを作り上げる時にいろんな人に好かれようとすると、個性がなくて無難な仕上がりになっちゃうってこと。
そして、誰にも嫌われないけど、強烈に愛されることもない形になってしまうということ。
これって人にも当てはまると思う。
「こういう生き方をしている人を他に見たことはないけど、私はこの生き方をする!」って思って生きるのって勇気がいる。
だから、自分を表現せずに、世間で常識とされているものに合わせて生きる人がたくさんいるんだと思う。
だって、個性一つ、焼肉だけで勝負したら、焼肉が好きな人にしか好かれなくなってしまう。
焼肉が嫌いな人には嫌われてしまう。
だったら、自分が強烈に好きなものじゃなくても、人が好きそうなものを色々と混ぜ込んだら、なんとなく誰にも嫌がられなさそうなものが出来上がる。
私がまさにそういう人生を生きてきた心当たりがある。
「人に褒められるものを取り入れた人生」にしようと頑張ってきた。
でも、そんな人生で幸せなのかな。
そんな「人に認めてもらうために自分じゃない人になる人生」って意味あるのかな?
って考え始めた。
無難で、誰にも否定されない人生。
だけど、自分の人生を生きている!という喜びもない人生。
本当の自分ではない人生。
誰かがいいと言ったもの、誰かが決めた価値観をなぞるだけの人生。
そういうの、もうやめよう。
勇気を出してみよう。
私は、自分のまま焼肉弁当の人生を生きるんだッ!とここに宣言します。
「胸焼けしたとしても焼肉弁当が食べたいッ!」と考える気合いの入った人にだけ愛される弁当になりたいから。